教育・学生生活

デザインコンペティション

ブリッジコンテスト – 自分の思い通りに橋を作ろう

ブリッジコンテストとは、橋の模型を作り、「強さ」と「美しさ」、そして「コスト」を競います。

環境都市工学科が中心となって行っている「ブリッジコンテスト」。
橋を「作る」コンテストであると同時に、なんと橋を「壊す」コンテストでもあるということなんですが・・・。
いったいどんなことをやっているのでしょうか?

「ブリッジコンテスト」とは

「ブリッジコンテスト」とは、福井高専内で行われている「橋」のコンテスト。
とは言っても実際に河川に橋を渡すわけではありません。橋の模型を作り、その強さと美しさ、そして「コスト」を競います。
福井高専では1年生になると、「ものづくり科学」の授業の中で、A4のコピー用紙を使って「橋」や「クレーン」などの模型を作ります。
あの薄っぺらい紙を使うわけですから、丸めたり、重ねたり、箱形にしたり、折ってみたり。いろいろな工夫が必要です。

限られた材料を使って、いかに強い「橋」を作るか。

「橋」ができあがると今度はそこに水の入ったペットボトルのおもりを吊して、その強さを調べます。
おもりをどんどん重くしていき、どのくらいまで耐えられるか、つまりどのくらいの重さで壊れるのかを見るのです。もちろん、使用する用紙には枚数制限があります。限られた材料を使って、いかに強い「橋」を作るか、が課題となります。

3年生になるとコンテストはレベルアップします。
材料は600×80×4(mm)のバルサ材。木材としては非常に柔らかく加工がしやすいのですが、その分強度が心配です。1年生のときにはなかった力学的知識を駆使して、3年生は「橋」を組み立てます。
今回のコンテストの大きな指標の1つは「CP値」。
「コストパフォーマンス値」の略で、(「橋」が耐えた重さ)÷(「橋」自身の重さ)で計算します。つまり、できるだけ軽い「橋」で、できるだけ重い荷重に耐えた「橋」が優秀だ、ということなのです。優秀な「橋」だと20gほどの自重で13kgもの重さに耐えたりします。

「より軽く、より強く、より美しく」

もう1つの重要な指標は「美しさ」です。評価点10点のうち、7点はCP値で評価しますが、残る3点は「どの「橋」が美しいか」という投票の結果で評価します。
「より軽く、より強く、より美しく」この3つを競う競技と言えます。

5年生になると、さらに本格化して「スティールブリッジコンテスト」となります。
そう、今度は材料に鉄を用いて、長さ4mにも及ぶ「橋」を作るのです。
しかもこのコンテストはこれまでとはひと味もふた味も違います。

まずは「橋」の設計から始めます。図面が書けたら今度は強度計算。
ここでは「壊れる重さ」を計算するのではなく、荷重をかけたときの「たわみ」を計算します。5年生になるまでに学んだ知識を総動員しなくては求まりません。
次に「発注」を行います。必要な材料を無駄なく指定し、材料費を抑える必要があります。
そしていよいよ本番。教室内に設置された「競技場」で「橋」の組み立てを競います。 しかしただ単純に組み立てるのではありません。

まさにリアルな「橋」の建設現場のシミュレーション!

「競技場」には資材置き場である「資機材エリア」、部品組み立てなどを行う「建設エリア」、そして「湿地帯エリア」などが設定され、細かなルールが決められます。
たとえば1人の作業員が運べる部品は1回1個までだったり、作業員が湿地帯エリアに触れた場合には「アクシデント(事故)」として罰則時間が加算されたりします。そして建設時間や人件費なども考慮した「建設費用」も計算されます。まさに実際の「橋」の建設現場のシミュレーション!
こうして出来た「橋」は、強度だけでなく、外観や軽さはもちろん、建設時間や費用なども総合的に評価されるのです。
このブリッジコンテストは、「全国高専デザインコンペティション」、通称「デザコン」に繋がります。

AMデザイン部門で審査員特別賞を獲得!!

この「デザコン」、毎年ルールが変わっていろいろな競技が行われているのですが、 茹でる前の乾燥スパゲッティを用いた「パスタブリッジ」という競技もありました。学年とともに得た知識を総動員して取り組む「進化するコンテスト」。
単なる構造計算だけではなく、コストや実際の作業手順なども考えなくてはいけません。
専門的な知識と、まるでチェスや将棋のような戦略も必要とされる、とても奥の深いコンテストです。

2022年度「NEW!!」専攻科1年生チームがAMデザイン部門で審査員特別賞を受賞

2021年度「Restart」

2020年度「ゆい」

2019年度「新『五輪書』」 専攻科1年生チームがAMデザイン部門で審査員特別賞を受賞

2018年度「守破離」

2017年度「デザインが天下を制する」

2016年度「“はちきん”と“いごっそう”」