入試情報

物質工学科卒業 向當綾子さん

未来の医療を変える、インテリジェント核酸を研究。

界面活性技術の追求を通じてさまざまな分野の技術を支え、付加価値の高い製品づくりに貢献する『日華化学』。2017年秋には本社に新研究棟「NICCA イノベーションセンター」が完成。各部門の研究員や外部の人がオープンに交流し、自由な雰囲気のなかでイノベーションを共創していく環境が生まれた。向當さんはここで次世代の事業の柱を目指す、ライフサイエンス系の研究に打ち込んでいる。

向當綾子さん
物質工学科 環境システム工学専攻(2013年卒)
日華化学株式会社
界面科学研究所 先端技術研究部 先端材料研究グループ

Q.『日華化学』に入社した理由は?

私は高専では物質工学、専攻科では生物学を選び、菌類などの遺伝子を研究しました。大学院に編入してからも微生物の遺伝子管理を研究し、将来は研究職に就きたいと思っていました。『日華化学』は高専時代のインターン先で、その頃から女性研究職の比率が多く、女性がいきいきと働いている姿が印象に残っていました。大学院でもう一度インターンシップを体験して、女性が活躍できることはもちろん、社内外の人と広く交流しながら研究ができる環境にも魅力を感じました。

Q.どんな仕事をしていますか?

私が担当しているのは「核酸」。DNAやRNAといった遺伝子のもとになるものです。そのなかでも化学的な合成によって特殊な機能性核酸「インテリジェント核酸」を生成する研究をしています。
当社は界面活性技術を生かした製品づくりで知られますが、コア技術を応用した新しい市場開拓にも積極的にチャレンジしています。インテリジェント核酸は新しい挑戦となるライフサイエンス系の事業で、難治療性疾患や遺伝性のがんなどの診断薬・治療薬の原料づくりを目指しています。人のいのちや健康を守り、医療の未来に貢献できる研究なので、とてもやりがいのある仕事です。当社の技術ががんや重い病気で苦しむ人の助けとなり、新しい事業基盤に成長するよう頑張っていきたいと思っています。

Q.新研究棟はどんな雰囲気ですか?

新研究棟は他の分野の研究チームともオープンに交流することができ、分野の垣根なく話をしたり、意見交換ができる空間です。ミーティングもこまめに行うので、皆さんが思っているよりもコミュニケーションが多く、活発な雰囲気の研究所だと思います。研究棟には高専の先輩もたくさんいて、職場で積極的に意見を発する前向きな人が多いですね。何となく雰囲気で高専OBだと分かります(笑)。

Q.高専での経験と今の仕事の共通点は?

社内だけでなく、大学や民間の研究者との共同研究も行っているので、打ち合わせのために社外に出る機会が多いですね。研究の成果を学会で発表したり、自社製品のPR活動に協力することもあり、社内外の人と関わりながら研究を続けられるのが特徴だと思います。
高専は企業との共同研究や学会などで発表する機会が豊富にあり、学んだことを応用したり、学外に発信したりと、いろいろな経験をすることができました。このときに広く外と関わりながら研究をする楽しさを知ったので、同じようなスタイルの今の仕事は自分に合っていると思います。